ハンターハンター383話で多くの読者が一瞬「?」となったであろう場面がありました。(勿論私も)
それが「数字の文節を拾え」です。
ちなみに「符丁」とは同業者内だけに伝わるような暗号や合言葉です。
(接客業でお客に不快感を与えないように、トイレに行くことを2番行ってきますと表現したり、万引きを発見したら3番といったりそういうの。数字は適当です)
ミザイストムの伝令
賢い読者様はピンと来たと思いますが、私のような漫画を読むときはチンパンジー脳になる読者は一瞬止まったものの「そういや何かあったな。でもまあいっか」で先に読み進んでしまいました。冨樫義博先生ごめんなさい。
後で「数字の文節」のコマを思い出して掲示板で調べてみると、どうやらこれはミザイストムからの伝令が暗号であった事の種明かしだったようです。
381話で中央警察署にフウゲツが捕まって取り調べを受けた後、ミザイストムはハンター達に以下の伝令を出しています
1カチョウ フウゲツ両王子の言動には不自然な点が多く警戒を要する
3何らかの方法で逃走を画策している可能性が極めて高い
4警護と並行し逃走防止にも全力で当たれ
4お前は責任者のキーニをサポートしろ
この時はカチョウフウゲツを警戒するハンター協会という感じで、不自然さは感じませんでした。
ただミザイストムは悪い奴じゃないけど組織の規律を重んじるドライな人間なんだなと少しだけがっかりした記憶はあります。
ところがどっこい、これは暗号になっていてにミザイストムはカチョウ・フウゲツを守ろうとしていたという内容でした。暗号にしたのは通常の通信手段は王立軍に傍受されているようなので、ハンターのみに真意を伝えるためでしょう。
ミザイストムさん見損なってごめんなさい。彼は正義を重んじる信頼できるハンターでした。
文節をつなげる
該当のセリフの文節を抽出して繋げます。
1カチョウ フウゲツ両王子の/言動には/不自然な/点が多く/警戒を/要する
3何らかの/方法で/逃走を/画策している/可能性が/極めて高い
4警護と/並行し/逃走防止にも/全力で/当たれ /
4お前は/責任者の/キーニを/サポートしろ!
カチョウフウゲツ両王子の逃走を全力でサポートしろ
なるほど・・・これは種明かし前に分かった方天才ですね。
よく考えると伝令の内容と、文頭の数字13:44がやや不自然ではあったのでヒントは与えられていました。名探偵コナンを読む時の心構えで読んでいたら、少しは答えに近づいていたかもしれません。
キーニへの謝罪
富樫先生とミザイストムに謝罪したついでに、私はキーニ爺さんにも謝罪しなければいけません。
というのも
382話のキーニとセンリツのサイレント会話の描写(ミザイストムからの伝令の直後)を見て、
センリツ「カチョウとフウゲツの脱出計画がバレたの・・ハンター協会トップから脱走を阻止しろって・・ちくしょう!でもキーニは協力してくれるよね?」
キーニ「ぐっ・・センリツよ儂はここまでじゃ。協力はしたがあくまで自分が安全な範囲でやっていただけ。」
センリツ「そんなつれないこと言わないで!あの子達はまだ子供なのよ。円の使い手がいないと私たち・・シャバに戻ったら一杯奢るからさ」
キーニ「無理無理。儂には家族もいるんだ。ハンター協会には楯突けん。長いものには巻かれろってのがワシのモットーでな。」
「邪魔する事はしない。だが今後ワシ達は無関係だ。じゃあな」
センリツ「がびーん」「どうしよう・・・」
っていうような会話を勝手に脳内で再生して保身かよと思ってしまいましたが、実は全然違う会話があったのです。
このように保身どころか、自分を犠牲にしてカチョウとフウゲツ、そしてハンター協会を守る決意をしたキーニさん。
演出だったのかもしれませんが、勝手に見損なってしまってキーニさんスイマセンでした。
ハンターハンターは少年誌の漫画とは思えない重い展開もあるので、キーニのこの覚悟はほとんど無駄になってしまうのですが、二人の脱走失敗をきっかけに継承戦が大きく動き出すかもしれません。