喧嘩稼業96話の考察です。ネタバレ含みますのでご注意ください。
ヤンマガ、なんでここに先生が!?、シーズン6の猪川先生、面白いですね。喧嘩稼業の単行本11巻も購入。格闘シーンだけでなく、心理戦も好きです(^^)#喧嘩稼業 pic.twitter.com/DP38T8a927
— おぎの稔 前大田区議会議員 (@ogino_otaku) 2018年9月17日
元議員も読んでる喧嘩稼業。政治家から圧力をかければもう少し掲載ペースが増えるかもしれません。数か月ぶりとなった今週96話の作者コメントは、
『東京オリンピックまで逃げるつもりでした・・・捕まりました。』
冗談に聞こえないのが怖いです。でもとにかくお帰りなさい!
前回95話では、川口夢斗と父の試合前のやりとり、あとは佐川睦夫とセコンドの菅野の結束が紆余曲折あって強くなり、試合に挑む直前の様子などが描かれていました。上杉均と芝原剛盛の試合は、お互いにダメージを与えやや上杉有利で膠着している状況です。
喧嘩稼業96話
芝原が煉獄、上杉が金剛を繰り出すなど、お互いの技をトレースして引き出しの多さを見せた二人ですが、これは「それぐらい俺もやれる」という強がりも入っているのかなと思っていました。しかし二人とも割と本気だったようです。
二人とも金剛と煉獄について考えを巡らしていました。
金剛は梶原の技
梶原といえば梶原柳剛流です。
実は金剛を最初に公衆の面前で使ったのは、今大会の梶原さんです。しかしながら上杉の金剛もどきを見た芝原の「十兵衛を真似ようと思ったのか?」という言葉から、金剛が入江と十兵衛の富田流の技であると、上杉は察します。
(十兵衛は金田保との試合でも背中から膝で金剛しようとしたり、あとはフェイントに使ったりしてましたが、そういえば決まってはいませんでした。)
里見との回想でもそうでしたが、上杉は脳筋タイプにみえて洞察力はかなり鋭いようです。
上杉の体力を洞察する芝原
お互い対峙して膠着状態が膠着状態が続いていましたが、芝原は上杉の変化を察知。
それは上杉の呼吸についてで、全く息が切れておらず、呼吸も乱れていないのは不自然であり、本当は疲労があるのにそれを隠すために、ブラフで静かな呼吸をしていると推察します。
(そういえば煉獄を打つ前は「ふっ、ふっ」と荒い呼吸してました)
芝原といえば煉獄破りについても、戦いにおける呼吸の重要性を説いていたので、ここでも呼吸に対する理解の高さが生きることになりました。
その推察から、完成度の低い金剛を使った場面は煉獄の入りとなる鉤突きもできたはず、つまり上杉はアバラが折れている中無理して動いて体力が残り少ない、という答えに辿り着きます。
(煉獄は体力消耗しますからね)
仕掛ける芝原
上杉がダウンしてるときも、ブラフである可能性を考慮し、慎重になっていた芝原ですが、勝負所とみると決断は早いです。上杉の体力は限界と確信したため、思い切って自分から仕掛けてきました。
96話終盤まで、これは逆に上杉の裏をかいた行動で、芝原の負けフラグかと思っていましたが、上杉は普通に体力無くなってました。
芝原の本分ではないはずの打撃による牽制攻撃に対応しきれません。ロープを背負いセコンドの橋口も上杉のダメージが深刻であることを察していました。
合気は不利
攻撃しながら芝原は「最強の格闘技」について考えていました。この漫画の一つのテーマでもありますよね。
最強の定義
戦闘には様々な状況がありますし、合気道とは本来、一対一で向かい合ってスタートする格闘技形式の戦いだけを想定したものではないです。逆にいうと相手が素人で武器を持っていたり、複数人に襲われたりといった多様な状況であれば、合気など伝統系の武術は最強に違いない。
しかし芝原が思う田島の定義では、『格闘技経験者がヨーイドンで戦うもの』。これこそが最強の定義で、この陰陽トーナメントでもそれが採用されています。
(ただし田島は不意打ちや、イレギュラーな状況にも対応できる強さも兼ね備えています。)
そんな不利な条件で戦っている芝原は、師匠に盾突いた時のように、合気道を現代の戦いに対応させる努力をしていました。
総合の技術を使う芝原
作中では合気の「付属技術」と表現されていました。
(合気本来の技術ではなく、合気を総合格闘技的な戦いに活かすためのオマケ的な技術だと解釈しました。レスリングでいうならお尻の穴に指を入れたり、柔道でいうなら組み手争いの技術だったりでしょうか。)
とにかくこの「付属技術」で上になった芝原はマウント状態から鉄槌で上杉の顔面をフルボッコに。久しぶりに『どぐちゃ』も出ました。
上杉のダメージは深刻なものです。
上杉の勝利ルート
ここまで来て何言ってんだって感じですが、漫画的には完全に上杉の勝利ルートに入りました。
あの里見も「上杉の敗因は自分が作った(田島襲撃計画のこと)」と席を立ち、田島や入江文学も、さすがにもう上杉の勝利の芽はないと勝負決したモードに。
しかしまだこの状況で上杉の勝利を諦めない二人の男がいました。一人はセコンドの橋口・・・そしてこの男が登場です。
山本陸何やってんだよ
アンダーグラウンドの男と一緒にいたその男は山本陸でした。山本陸もまた上杉は立つと確信していました。
運営側の男に「ルーキー」といわれていたので、櫻井のようにアンダーグラウンドの戦士になった感じですかね。(一見カワタクのような口元になっていたので山本陸と理解するのに時間がかかりました。)
眼帯を期待したんですが、義眼を入れたのかぱっと見は普通でした。佐川もアンダーグラウンドに拾われていたので、もしかするとこの二人の戦いがあるかもしれません。
モブキャラを紐解く
木多先生なら間違いなく、とろサーモンとスーパーマラドーナを観客席のモブキャラに描くと思っていたんですが、見当たりませんでした。
もしかすると、上沼恵美子への暴言騒動の前に原稿は仕上がっていたのかもしれません。ということはしばらくは安定して連載は続いてくれるんでしょうか。ちなみに次回の掲載は3週後のヤングマガジン12号です。
やはり今週号も面白かったので、もはや掲載してくれれば何でもいいです。
喧嘩稼業97話
試合開始前は、7:3か6:4ぐらいで上杉有利の戦いと予想していましたが、この時点ではもう9:1かそれ以上に上杉の勝利濃厚でしょうね。
横綱金隆山と川口の戦いでもそうでしたが、終盤詰めに入った方が負ける傾向にありますし、山本陸まで出して逆襲の展開のフラグを作っていたので、漫画的にはマウントを脱した上杉が勝ってしまう可能性が非常に高いと思います。
上杉はダメージも大きく体力も限界のようなので、97話か98話で決着がつくような感じがします。そして田島の襲撃計画もダメージが大きく無理でしょうね。里見の修正力と、山本陸の動向にも注目したいと思います。